Mick-Bike

Mick Kamiharaの自転車関連日記

SDA王滝100km 2016/05/22

いつか走ってみたいと思っていた王滝の100kmマラソンレース
まさか自分が本当に走るとは、思いもしませんでした。なんか別世界の人がやるものっていうイメージでした

 

2015年、Cliffordやシクロクロスのレースをいくつか走ってダートも盛り上がり、冬の間に勢いに乗って申込み
まあなんとかなるだろうくらいにしか思っていなかった(笑)

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冬場に仲間と近くの山を走り、4月の遠州浜MTB4時間を一人で走りきればもう大丈夫だろうとか勝手に思い込み
ゴールデンウィーク中に近所では一番王滝に近いと言われるコースも走り装備もいろいろ考えて準備してきました
結果から言うと準備の段階は思った通りできました

 

レース
4時半にスタート場所にバイク整列。けっこう混みます

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6時にスタート。しばらくパレードランと言われますがまあまあ速くて皆さんスレスレを走りまるで実業団レース
ブレーキ!とか声が飛びます。

ダートに入って坂が始まると渋滞。前に遅い人がいて二人並ぶとブロックすることになるので、経験者は前にいたい気持ちは分かりますね。巧みにかわしながら前に進みますが、自分も抜かれるし気が付くとHRが170以上になっててまるで秋葉山上がっている状態に

 

これではまずいのでペース落として165以下になるように調整。できれば150台で行きたいところ
序盤の坂からなかなか強烈なダート。大小の石が転がりがれてます
初めて走るので、やっぱりそうか、そうだよな、でもこれやりたくてきたんだよな、と思いながら淡々と登ります

 

8キロくらいでチーム名とのI君が後ろから追い越していきました
やはりペース上げすぎるとよくないねえ、とかいう会話をしてたらさっさと先に行ってしまいましたw
相変わらずきれいに脚が回ってますね

 

下りセクションに入るとバイクが思った以上に跳ねるのが気になります
転ぶのとパンクに気をつけてゆっくり走ると後ろからガンガン追い越されますが、そこは気にしないということでビビリ入りながら丁寧に行くことに。普段使われていない道路なので石だらけそれも尖っているものもあるしです。前輪の空気圧ちょっと高いなと感じてたら下りのカーブでグリップが悪いので滑ります。悩ましいところですがパンクも怖いのでそのままの空気圧で走ることに

 

 

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前半1/3くらいまではペースも抑えたので気持ちよく走れ、御嶽山など眺めも楽しめましたね

気にしていたフロントのギヤだけど、このあたりまではセンターを使っていれば十分という具合
普段の練習でもセンターだけあればいいという感じなので、自分もそのうちフロントは1枚にできるかなとか考えたり

 

100kmの長丁場なので、補給が大事というのは当然のこと
ボトル2本と大量のゼリー、羊羹などを持っていたので、大体10km位走ったらなにか食べるというのを楽しみにしました
それがなかなか次の10キロが来ないのですがねw
ザバスのりんご味ゼリーが食べやすくてよかった。あとはいつものスポーツようかんやグリコの瞬間チャージとかもいいです
基本走りながら食べるので、手にゼリーがつくとハンドル周りがベトベトになるので注意。ボトルの水をかけて掃除したりしましたね。食べるタイミングも登りで走りやすい勾配か平地のタイミングなので、そういう場所に出くわした時にさっと食べるのもポイントです

 

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14キロくらいで後ろからスペードエースのMさんとKさんが登場。Kさんはシングルギヤです!
しばらく会話しながら走行。下りのタイミングでいなくなったりしましたね
淡々と上り下りが続き、30kmの第1チェックポイントはまだ水も十分あったので通過
ここからは下り基調になりました

 

一人で走っていると35kmくらいのあたりで先に行っていたはずのIさんが登場
なんでもサドルバックの中身を落としてしまったとのこと
話をすると替えのチューブも落としたとか。でも自分のはサイズが違うので渡せない。
パンク修理キットはあるというのでタイヤレバーを渡そうとしても遠慮とかするし
こういうある意味究極の状態ではオファーする方も受け取る方も難しいですよね
今回はたまたま自分の持っていた工具セットの一部が簡易的なレバーにもなるのを知っていたので、結果レバーに予備があってオファーできました。受け取る方も、それを借りてしまうと出してしまった方のことを心配するのは当然ですよね
そんなことで説得してレバーを2本渡して再出発。Iさんはまた元気に走り去り、自分はタイヤレバー2本分軽量化w

 

再び下りが始まります
大きな尖った石があるような場所では本当に気をつけて下っていました
40キロ付近のブラインドの下り右カーブで深い砂利にフロントを取られて右側に転倒
右膝、腕と肩、頭(ヘルメット)を強打して目から火花パチパチに。すぐにコース脇に避けて下ってくる人のじゃまにならないようにしましたが、右膝を大きく切って血がたくさん流れ始めます

 

バイクはダメージはなし。MTB強い、というかスピード出てなかったってことか(後で見たら20km/hほど、下りだから出てたな)
でも人体はこれだけの速度でも砂利に突っ込めば大怪我です。少し集中力切れてたのも落車の原因ですね
傷口にボトルの水をかけて殺菌したつもりにして走行開始。右膝から下がダラダラと鮮血に染まりシャア専用ザクのようです。3倍速くなるかな、クソッ

 

少し下ると平地になり、走るのも楽に
何とあと少しだったか!という思いですが、そんなところに軽トラと監視?の方が2名いたので声かけたら救急道具あるから見てくれると。助かった!
殺菌とカーゼをテープ止めをしてもらいました。この間5分くらいかな、KさんとMさんが走っていくのを見ました。あとここでチームメイトのKさんにも抜かれた様子

 

この先に第2チェックポイントがあるからそこでちゃんと診てもらってという声をかけてもらって出発
平坦はしばらくしたら終わってまた坂になります
打ち付けた膝はもちろん痛いけど肩もけっこう強く売った様子
膝は腫れてきてガーゼに血が滲んで真っ赤になってきます
脚の機能は大丈夫なので、今までとそんなに変わらないペースで走れるので完走できると確信

 

しかしCP2までの登りが長かった
思った以上にがれていて、このあたりからフロントはインナーも使うように
坂になって一旦Kさんにも追いついたんだけど、だんだんたれてきて再び抜かれてしばらく30mくらい後ろを走ってました
この辺りから東に向かう方向になり、山の南側も増えて日差しが強烈に。10時過ぎた頃かな、だいぶ暑くなってきました
出発から60km地点にある第2チェックポイントに到着し、ボトルの水を補給
救護所に行って膝を診てもらいました

 

チェックポイントの救護体制はプロの方?を呼んであるのか、自転車レースというか運動するためにどうしておくとよいのかという処置をしてくれました。まずは綿棒などでゴシゴシ砂など入ったものを出して消毒。強烈に痛いですw
そしてワセリンを塗ったガーゼを当ててテーピング。膝を動かしやすいように巻いてくれて問題なく再スタートできました。ここでの手当が完璧で、本当に走りやすく助かりました、ありがとうございます

 

しっかり手当ができたので残りもしっかり行こうと再スタート
再び険しい坂が待っていますが、踏むのではなく太ももを上げる走りで走破
今回はこの走り方を多用できたので、太ももへの負担は少なかったですね
下りでは基本スタンディングなので、ふくらはぎが最初辛かったですが、だんだん手のひらと腕と肩に来ました
あと後半はサドルも辛くなってきましたね

 

日当たりのいい坂が増えて暑さもきつくなって来たところで最後の難所”無限坂”と呼ばれる場所の入り口に到着
事前にその坂の手前に深い溝があることは聞いていたのでそこは問題なくクリアしましたが、そこからの坂が本当に強烈
そこまでアウターで走ってきたのですが、そこからいきなりインナーローの世界
暑さと急坂、乾いた荒れた路面が永遠に続くような場所です

 

目の前に立ちはだかる斜度10度のがれがれの急坂。幅は2mほどで左右は森。ほぼシングルトラックと思ってもらえばよいです

斜度は遠州のライダーなら秋葉山を想像してみてもらえばよいかな

そんな斜度で路面はデコボコ、砂地で大小の石や木の枝、葉っぱが落ちています

いちいちタイヤがトレースするところを選んで走らないと前輪が下手なところを走ると後輪がそこに来た時にスリップしたりします。じわっとパワーを掛けるペダリングを心がけながらハンドルを操ったり体重移動を繰り返してバイクの進む方向をコントロール。視線は目の前ばかりで、ために先を見ています

 

舗装路みたいにタイヤが転がらないので常に荷重を掛けて進んでないと失速する速度。当然のように7とか8km/hと表示され、下手をすると5km/hくらいまで下がりGARMIN EDGE500は自動停止を繰り返す。いちいち怒る気にもなれず踏み直して8km/hくらいまで戻してもすぐ疲れてまた自動停止。あまりスピードにこだわっても意味ないので丁寧に止まらないように脚を動かし続けます。

 

そんなのを繰り返しながらでも坂は終わりません

登っても登っても同じような坂が見えてきて・・・無限です。さっきもここ来なかったっけとか思ったり。照りつける太陽も強力で体感的には30度近く

ホコリをかぶりまくったボトルから水を何度も飲んでまた踏んで見上げるとまだ坂は続き・・・遠くに見えたブラインドカーブが近くなってきて、あの先は下りだろう・・・と思ってカーブを超えると同じような坂が目の前に・・・

 

足をつくと終わりと分かっていますが、足が攣って止まっている人も何人か

その横をえっちらおっちら登っていきます

距離的には多分キツイのは1kmくらい、でもその先も2㎞くらい少々斜度がゆるくなって坂が続きました。平均的にはゆるいんだけどところどころキツイところもあり、そこでまたハンドルをとられる(これは後輪荷重になっているからとられやすい)

そこでフラっとした瞬間にまっすぐに直してまた前進力を掛けてバイクを立ち上げてを繰り返します。ロードならとっくに左右に蛇行しながら進んでいる状態。MTBでも同じことですが疲労でそうなっているのかライン取りを一所懸命やっててそうなっているのかはライダーにしか分かりません。それに誰も見ていないし!!!

 

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これはCP3付近

 

もう無理もう無理とか、あのブラインドカーブの先は下りに決まってるとか頭の中はミスチルの「もう1回、もう1回」がループしてきて、そんなのが頭に浮かぶからこの坂終わらんのじゃとか突っ込んでみたり

そんなことでいろんなことを考え、打ち砕かれながら10%前後のガレガレの坂をなんとか攻略。ここは本当に永遠に続くようなところで体へのダメージも積み重なっていたのでガチで打ち砕かれました。その先はやっと最後の下り坂

 

時間はすでに12時45分くらい
13時までにフィニッシュしたら一応7時間切りなので、それを目指しながら下ります
残りあと何キロというのも分からないので出来る限りの速度ですが出せるところは30km/h以上

走りやすい路面だったので、あと少し、あと少しと信じて時計をたまに見て下り続けます
何度かここか!とか思いながら打ち砕かれて13時に
すると声が聞こえてきてフィニッシュラインへ

チームメイトのIさん、Kさん、20kmの部で優勝したUさんが待っていてくれて嬉しかった

タイムは7時間01分10秒。落車と治療もあって中盤からは苦労したけどとてもいい経験ができました

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【走行データ】

【良かった】
・この上ない天候だった
・直前に風邪を引いたが結果として体調万全で望めた
・無事とはいえないけど7時間で完走出来た。今後のベンチマークになる
引き足というかいろんな筋肉を使って走れたので脚へのダメージは遠州浜4時間より楽だったかも→下りもあって効果的に休めたのか
王滝村の美しい自然、人々
・準備から補給まで上手く行った
・パンクしなかった

 

【反省点】
・集中力を欠いたときに深い砂利に足を取られて落車、怪我をした
・やはり吊るしのままのアルミMTBは重たい(欲しいものがまた・・・)

・タイヤ選択はもうちょっと太いのが好みかも。これは空気圧も含めて

・フロントのサスの調整もしとくべきだった

 

【感想】
・初心者には難しいですが多少MTBを経験した人で興味あるなら、一度走ってみるといいと思います。いきなりタイム狙うと大変ですが、素晴らしい場所です
・いろんな人がいろんなスタイルで走っていました。それもまた楽しいです(補給の搭載方法とか、シクロクロッサーとか、Slateとか、アシモとか・・・)
・上半身のダメージが大きいのでハンドル周りはもっと工夫できるはず

・上りが多いので軽量化は効くはずだよねえ

・っつーか、このMTBほとんど買ったままだしw

 

【機材】
・Scott Scale 760:タイヤ以外買ってきた標準状態。ヤフオクで9万円ほどで買えるものでも練習したら王滝100㎞完走できるのは証明できましたね。1回落車したけどw
・タイヤ:IRC MythosXC 650B前後 40PSI(自分はタイヤに書いてある最低空気圧を基本使うようにしてます。今回はちょっと高かったかも)

・補給1:ボトル2本(1本は水、1本は電解質パウダー入れた)

・補給2:ザバスのゼリー4個、スポーツようかん2本、グリコCCD2本、ナッツバー1本、カロリーメイト1パック、STINGERゼリーとワッフル。結果半分くらい食った

・背中に何か背負うのは好みではないのでバックパックはなし。水くらい持ってもよかったかな

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・チューブ2本、パッチ1セット、空気入れ、空気ボンベ2本、タイヤレバー、TOPEAKツール1、タオル1、携帯用チェーンオイル、タイヤブート(トラブル無しだったので全く使わなかった)

 

カロリーメイトは好きでよく食べています。メイプル味が好みです

 

 

【おまけ】

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部長アシモやりましたね!

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今までで最も過酷なMTBライドの後にBUCYO COFFEEがあるのは幸せ意外なにものでもないです

 

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帰宅後は楽しい治療が待ってました