Mt Washington Auto Road Hillclimb Bicycle Race 2018 参戦
北米で一番きついヒルクライムと言われるニューハンプシャー州のマウントワシントンで行われるレースに参加しました
スペックは
- 7.6マイル(12kmちょっと)
- 平均斜度12% (最大22%)
ということです
Welcome Mt. Washington Auto Road Bicycle Hillclimb
いつもヒルクライム嫌いと言っている割に出るんですからねえ、なんでしょう
何事も経験ですから興味本位くらいということでしかないのでしょう
目標は完走。走ったことない場所なので、聞く限り乗鞍のように森林限界超えたはげ山の上まで走る、秋葉山以上の斜度が12kmという程度
その後聞くとこの山の山頂付近は北米でも一番常に風が強く天気が悪いことも多い場所とのこと。いいですねえ
YouTubeで過去に走った人のビデオを見ると天気が良かった年もあって雰囲気は本当に乗鞍です。ビデオでは斜度はよくわかりませんが
準備はリヤのカセット、32Tを準備するくらい。ディレイラーもロングタイプを調達、自分で調整してみました。簡単と言われますが少々苦労しましたね、そういえば
このレースですが下山は自転車NGです
つまり車で下山なので、運転手を調達しなければならないです
今回はたまたま会社の仲間が友人も出るというのでそこに乗っかることができました
この友人は過去に2回走ったことあるのでいろいろ教えてもらえました、そういえば
一番の注意は最後の数十メートルとてもきついのでそこにエネルギー残しておかないと本当にきつくて足をついてしまうとか。たしかに写真を見る限りツール・ド・フランスの激坂みたいな感じで観客は群がっているし路面にチョークでいろいろ書いてあるしで楽しそう、ではなく壁のような場所
前日受付を行い天気をチェックすると雨。山の天気なのでわかりませんね。
まあとりあえず忘れて夕食をとって寝ます
翌日朝630くらいに会場到着
曇り空で小雨
受付の大きなテント近くに駐車できたので準備開始
すぐ隣の小さなテントはローラーでアップして良い場所のようなので場所確保
自分のグループ(40代)は840レーススタートなのでアップ開始
雨が本降りになりました
10分アップして心拍160超えたあたり、ザーザー降りのなかその後10分SSレベルでしっかり汗をかき、車に戻ってアップオイル、そんで雨対策のVelotoze装着とワセリンを足と胸、腹、腰に塗りまくりました。おっと、雷が落ちてピカピカゴロゴロ
さてさて、と待っていても下山の車を登らせないので判断遅らせているのだなとおもっていたらアナウンスが。
雷雨のためまずは2時間遅らせるとのこと
最近はレーダーでいろいろ分かるので、2時間後には行けるだろうと
車に戻って雨の中一旦休憩。少し寝て起きると雨が上がってた
仲間と会話していると車を上げるとのこと。よろしく頼んで再びいつものルーチンでアップ開始
1030になると先頭グループのスタートで、その後5分おきに各ウェーブがスタート
自分は第2ウェーブ
号砲というかバズーカみたいなでかい音で最初の選抜者グループがスタート
過去の記録を見ると彼らは60分前後でフィニッシュする様子、すげえなあ
すっかり雨も上がったのてVelotoze外そうかと思ったけど、まあまだわからないのでそのままに。並んでるとこれがピンク色なので派手で目立ち色んな人に声かけられます(笑)
さて、予定時刻にバズーカでスタート。100人くらいいるのかな
タグで計測なので後方に並んでました
開始直後300mくらいで坂が始まります
この写真右下がスタート地点、駐車場とメイン会場があって左上の山頂までいきます
ずっと昔に馬で駆け上がるために作った道、いつからか車の性能を争うAuto Raceやったりするようになり(Pikes Peakなんかもそうらしい)、自転車は46回目で年にこの日だけしか基本走れないとか。途中森林限界を超えるあたり固くしまったダート道が1マイル前後あったり道路の状態はあまり良くないとのこと
で、坂が始まり脚に負荷がかかり始め、心拍数が上がり始めます
大きな集団もすぐにバラけて走りにくさは全くなし
というかすでに斜度10%以上の世界でインナーローへばりつき
周りみても同じです
どんどん前の人が落ちてくるのを抜きながら淡々と行きます
路面はウェットで湿気100%、気温は高くないけど汗が吹き出すレベル
息が上がってきてHRは160超え、パワーはFTP超えないように調整してみるけど結局インナーローでもケイデンスが60くらいまで落ちてくる
脚への負担が大きいケイデンスなのでなんとかしたいところだけどもうこれ以上低いギヤないし!
で、我慢。これでいくしかないしね
1マイルも進むと前後は同じペースの人々。たまに落ち来るのがいるくらい
しかしここまで見ているとチェーンリングにMTB用のすっげえ小さいのをロードバイクにつけていたり、経験者っぽい人は道具の対策もちょっと予想以上のもの
明らかに自分より高いケイデンスです。これはちょっとうらやましかったなあ
アメリカにいて困るのは道路の表記がマイル、自分のサイコンや体の感覚はキロメートルなので常に計算が必要です。7.6マイルも12kmとおぼえていて、表示される走行距離と計算したりなんかめんどくさい
アメリカにいるからマイル表記に合わせるのが一番なのでしょうが、たくさん走ったつもりでも数字が小さいので損した気になりますしねえ
平均斜度12%というのは秋葉山以上のキツさです
たまに緩むところがあったりするんだけど、見た目少し緩いだけで全く休めないところばかり。その逆に平均以上の坂が見えてくるともうがっかりなんでスタンディングでしのいだりしますが、まあ本当にずーっと上り
6kmくらい、そろそろ半分もう死にそうというところで木々がなくなってきます
このあたりで5分後にスタートした50代のトップ選手が抜いていきました。やはりケイデンス高いしとてもスリム。鍛えてるなあ、とか思ったり
霧が出たりなくなったりは相変わらず繰り返しで、雨も少しだけ、湿気がすごいのでサングラスは曇って使い物にならないのでポケットへ
そしてダート登場
固くしまった土で凸凹も少なくて悪くはないけどそれでも進み方は落ちてこの区間は時速6km台まで。一番上の写真もその区間で撮影されたものですね
少しフラットな区間があって休めたのですがまたすぐに激坂
心配していた右足も出力を抑えているのでまだ大丈夫っぽいし
と思っていたところヘアピン曲がってみたら向かい風
悪くないと思っていたら追い風だったのか・・・
我慢して踏んでダートが終わったところで抜かれた大柄の女性に食らいついてみます
道路の端のボコボコが少ないところを狙って走っていますのでこれは参考になったかな
走行時間60分を超えてもまだ淡々と踏めるようなので200W以上で踏み続けました
おっと、その女性にはとっくに先に行かれました
後半はヘアピンがいくつかあってここがすごい斜度
カーブ外側を使ってなんとか座ったまま行きます
たまに路肩に人がいて応援してくれるのがうれしいですね。こういうのは日本と同じです
残り1km、Wahoo ELMNTのマップ表記を確認するとあと真っすぐ進んでヘアピン超えるとフィニッシュというところ。霧もまた出てきて真っ白の世界
前後にライダーはおらず一人淡々と我慢の走り
するといろんな音が聞こえてきます
たくさんの声援が聞こえたと思ったら道路の両脇にものすごい人
知り合いもいてMick!と声かけられるとうれしいです
そして最後の壁
路面にたくさん、チョークで応援メッセージが書かれてます
斜度は22%
とても座ったまま行けない斜度
路面が濡れているかもしれないので空気圧を下げた状態でも滑るかもと思いながらスタンディングです
というか、滑るも何も全力で踏まないと止まりそう
記録を見たら20秒間ほど立ち上がって全力400Wの世界
90分近く走ってきてこれは本当にきつかった!
これはその激坂の直後。仲間が待っていてくれました
その後100mほど走ってフィニッシュラインへ
フィニッシュるするとすぐに記念メダルをかけられます
そして毛布もかけてもらいます。これはお約束の様子w
【記録】
87分54秒
全体:393人中148位
年代別 45-49歳男クラス:45人中18位
なんというか、富士ヒルでいえば一応合格ですかね
試走もまったくなし、天候もまあまあというなか、よく走りました
というのも出力の記録としては60分と90分を更新、これは落ち着いて出し切れたというべきかもです(心拍数も同様)
Time=1h27m54s, NP=225W, TSS=115, Elev.Gain=1419m,
AveSpd=8.28km/h, AveCad=61rpm, AveHR=161bpm
【良かった】
淡々と我慢の走りで出力と心拍数の記録は出せた。持ってるものは出せたのかな、心拍数、9割はスレッショルドだし
ザーザー降りの雨にはならなかったし、山頂も意外と暖かかった
【反省点】
ギヤ不足。ケイデンス60以下は流石にねえ。これは甘かったとしか言えない
もうちょっと出せたのかなあ。とくに後半。試走もしてないから具合も分からなかったとも言えるけど、足が攣るところまで行っていないのでまだ余裕はあったのだろう
【機材】
Cannondale Supersix Evo Hi-Mod, Shimano WH-6800+Hutchinson Fusion5 TL ready (TL運用)
ホイールはシャマルと迷ったけどよく進むTLタイヤがついているUltegraを選んだ。TLがこれだけ感触いいと軽量ホイールもチューブタイヤだと意味なく感じるくらい違う。というかUltegraホイールがとても名作に感じるくらいなんだけど、結局TLタイヤがすごいんだと思う。感覚の鈍い自分がここまで違いを感じるので
その後山頂で写真を撮ったり山小屋でいろいろ見たり(アメリカ風のジョークだらけ)して多くのフィニッシャーを応援してからバイクを車に入れて下山。みんなでこのセクションがどうだったこうだったと言いながらでした
【おまけ】
タンデムバイク1組、一輪車2名も無事ゴールしてました。当然ものすごい声援でしたよ
こういうのを認める懐の深さ、社会の余裕というのか、そんなの申し込む人の自己責任というか、当たり前ですがアメリカらしいですね