Mick-Bike

Mick Kamiharaの自転車関連日記

全日本選手権 シクロクロス 飯山大会 2020/11/28

初めてシクロクロス全日本選手権に挑戦してみました

第26回全日本選手権シクロクロス 飯山大会 1日目結果 | 日本自転車競技連盟 WEB SITE

 

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Photo by 岡さん

参加したのは年齢別のクラスでマスターズと呼ばれるもの、40−49歳のクラスです

 

今シーズン前半はこのレースに照準を定めて練習を重ねてきました。秋からのシーズンに入るとCTLなどの数値はどうしても上がらなくなりますが、短時間でも質の高い練習とレースを積み重ねてくることができました

 

ここまでAJOCCとJCXで4レース
CM1で20〜30%くらいでフィニッシュできていて先シーズンより若干良いかなと言う印象です。正直あまりレースタイム全体でのフィジカルが強くなったという気はしないのですが、より強いマイクロインターバルを繰り出す力はついてきたなという気がしています。普段のローラーでのトレーニングや実走での練習も充実していました(もう嫌だというくらいタバタやりました)


機材の方は先シーズンから使い慣れたものに加え予備ホイール投入くらいで、前のレースでクリートの設定ミスもありましたが全日本前に修正もできて万全の状態で挑めました

 

会場・コース

今年の開催地、飯山のコースも初めてです
運動公園の周辺の丘陵地帯を利用した難易度の高いコース。とくにキャンバーは見事としかいいようがないくらいスケールが大きく、日本でここまでのものは初めて見ました。
そして雨が降るとそこが見事な泥になることで有名な場所です
本番前の日までの晴天が嘘のように、当日は夜中から冷たい雨になりました

現地到着し準備のときから凄まじい雨
気温も5度とかそんな感じで逃げ出したくなるくらいです

雨具と長靴姿で試走時間の前にコースを歩きました
同じ浜松のチームSAからサポートで参加の加藤さんが案内してくれてコースのポイントを把握していきます。まだ誰もバイクで走っていないので路面はそんなに荒れていませんが時間の問題です

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公式ページより、コース図

試走へ

9時になったので受付をして試走に出ました
雨具と長靴もそのままで走ってみます
すでに泥区間は増えていてまともに走れない区間は多数
すってんころりと転んで体中泥だらけ、マシンも泥だらけ
乗れそうかなと感じたところは走ってみましたが、本番はもっと泥が成長して、乗れる区間は減るだろうなと感じました
マシンのセッティングがどうこういうレベルの次元ではなくて、空気圧を少し落とそうかなくらいしか思い浮かばなかったかな

一応洗車をして泥を取り除いてレースに備えていきます。雨の中の洗車で寒かった

 

シングルスピードのレーススタート。雨は止まず寒い
マスターズ50のレーススタート。少し雨はやんだ。同じ浜松から参加の守屋さん、素晴らしいスタートで先頭付近でレースを展開。しばらく応援してからローラーでアップ開始

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車のハッチバックを開けて屋根にして、その下でいつものルーチンでアップします。気温が低いのでなかなか体温が上がりませんがしっかり汗がでるまでなんとか回せました
アップオイル塗ってアスリチューン赤を飲んで準備完了です


レース

(※今回自分が走っている写真は一切ないので、次の日に撮影したエリートクラスの写真を使っています。走者は私ではありませんあしからずw あと天気も良くなってますが私が走ったときはクソ寒い雨でこんなにコースは乾いていない!)

 

コールは21番、3列目に並びました
加藤さんが来てくれて上着を預かってくれました。寒くて震えます
30秒前のコール
相棒に「絶対一緒に最後まで行くぞ」と挨拶
Wahooサイコンのスタートボタンを押して笛の音

 

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スタートは成功、スプリントもしっかり出るけど抜け出るもなにもないくらい周囲にたくさんのライダー
坂を上がりアスファルト区間を抜けて最初の泥区間に侵入
すでにヌタヌタになっているけどフラットで走りやすく前に出るチャンスだったけどこのセクションの後半にあるちょっとした坂で前が詰まって停止
ここでガンガン抜かれてしまってから再スタート

 

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2つ目のアスファルト区間を全力で踏んで芝区間開始
最初のキャンバーへのドロップオフは見事な逆キャンバー

 

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路面も荒れていて失敗すると前も後ろもスライドする恐怖の逆キャンバー状態
丁寧に抜けてピット横を抜けて斜面に作られてM字状の大きなキャンバーセクション

踏んで登りきってMの真ん中の谷に落ちるところで降車
すでに走れない見事な谷(奈落w)
2個めの上りを駆け上がって下りは乗れるところだけど、そこからの登り返しはたけし城級の泥上り坂

 

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かついだままマシンをかついだまま登るのも難儀するほどの泥と斜度を登って土手の頂上を100m以上続くキャンバー
ここは前半乗れそうだなと試走で見ていたけどすでに泥で荒れていてミスするとずっと下まで滑り落ちるたけし城状態w
安全方向に振ってかついで走りますが、右足首が曲がるんじゃないかというくらい路面が荒れ荒れ

 

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土手の最後が少し下りになっていて登り返して折返し
同じ100mほどの舗装路があってアップダウンの林間への階段
ここもすでに泥ベタで乗ることは困難な状態
階段を上がりきってからは林の中を右に左にしばらく下るセクション

 

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試走で少し乗ることはできそうでしたが、無理せずかつぎでランニング

結局この林のセクションはジグザグの下り、その後の登り返しの長い階段までずっとランニングしました。こんなに長い時間ランニングしたのは初めてです。
もし泥になっていなくても結構な斜度で下る180度ターンの繰り返しなので難易度が高く、これが乗車が意味ないくらいの泥になっています

 

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その結果WNPなんて目じゃないくらい長くて辛いランニングですし、目の前の荒れた泥にどのように足を入れて踏んで次のステップを出すのか、それの繰り返しでした
ここでは頑張って乗車する人もいたりしましたが、結果かついで走っている私とそんなに変わらずだったと思います

 

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ジグザグを散々ランニングしてつぎの障害は階段で、泥で重たくなったバイクが肩に重たくのしかかります。ここはもうきつくてランニングというより歩き始めるというか速度が極端に落ちてしまいましたね。本当にきつかった

 

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やっと階段を登りきって芝区間を下っていきます

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ピット横を通ってからシケインを超えます

 

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芝生のセクションにジグザグが作ってあってやっと普段走っているシクロクロスっぽいコース(というか、普段泥が少なすぎると言ったほうが正しいのかも)

 

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スタートライン横からホームストレートに戻り、また泥の坂を少し上がってキャンバーと180度ターンからアスファルトに戻ります。こんなところまでキャンバーと泥が用意されているのは最高のホスピタリティですな。その後、坂を上がってフィニッシュライン通過
1周がとにかく長くて辛いです・・・

 

2周目になることには周囲のライダー数名とランデブー開始でした。もう普段出ているレースのような広い視点はなくて、とにかく目の前の障害に全力で当たってクリアする全集中モード
一つ一つの轍や泥を判断して走って夢中でやっていくしかない状態で、その中で抜いたり抜かれたりを繰り返していただけです

 

その中で一番心強かったのは、ピットに入ってくれた加藤さん
予備車として用意した東洋CX-Sを持って、毎周回ピットの横往路も復路もバイクチェンジに備えてくれて、ピットからライダーが走ってくるラインに出てくれていました。私が入らないと見ると順位や前との差を教えてくれて、こういう究極な状態で仲間が助けてくれている、何かあったらマシン交換いつでも出来るというのは大変心強かったです

 

シクロクロスはほとんど単騎で走り同じコースでチームメイトと走るような戦いにはならないのですが、仲間がピットで備えてくれる、マシンの掃除をしてくれるというのはなかなか泣ける仕組みだと思います
いつかそういう走りをするようなことになると良いなあなどと思いますが、今回は泥はほとんどかついでいるのでマシン(FF-881)は最後まで普通に走れる状態でした

 

Laptime Chartを見ると1周目は19位、その後22位に落ちて次に20位、最後は21位でフィニッシュでした(完走者38人なので55%)
2周目以降のラップタイムは11分30秒ほど
多分この11分の半分以上は泥をランニングしている時間で、もう何が良いのか悪いのかさっぱり分からないのですが、優勝者はラップタイムが9分ちょっと、去年のチャンピオン56さんは10分くらいなので、まあ自分は単純に遅かったということでしょう

 

まともに乗ったときの記憶は場面場面で残っているんですが、40分のレース中の目の前の刹那に対応しているその状況が最後の最後まで続いたということです
ここまで目の前のことにしか対応できなかったレースも初めてですし、ここまでランニングしたレースも初めて


パワーメーターやケイデンスのデータは多くの区間で0(ランニングしてる)しかし心拍数は天井に張り付いたまま。グラフだけを見ているととても自転車レースのデータではない(笑)
ずっとバイクかついで泥走って応援してもらって周囲のライダーに声かけてたら終わってたという気がします

 

欧州で開催されているシクロクロスのレース映像を見るととにかく走らされているものがありますよね
あれをやった、ということでしょうか。あんなにレベル高くないですが(笑)
終わってみれば楽しかったとか感じますが、いつもの心肺マックスまで出し切ってという感じではなく、ちょっと物足りないものを感じましたね

 

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泥やキャンバーでランニングした区間を青色で表現してみました

 

【良かった】
超絶泥、雨、寒いのエクストリームコンディションを走りきった経験値が+1点
どういう準備をしてどういう片付けをするのか理解が深まった

 

【反省点】
今は思いつかないけどリザルトの55%は今期ワースト記録。全国から集まる全日本であることや激泥を考えても良いのか悪いのかわからない

 

【感想】
飯山のコースをきっちり走れるのは総合力が高いということだと思います
泥はよいですが、雨でないときにまた走りたいなあ。せめてエリートのレースくらいの晴天がいいなあ、なんてねw


【その他】
さすがは全日本選手権、会場近くの市民プールが更衣室になっていてその横にテント+温水シャワーがありました。レース後ここで泥を落とした時間は天国でした


マシンやウェアの掃除は現地で出来る限りやってしまえるとよいですが、レース後も雨が振っていて非常に苦労しました
ブラシやバケツ一つあるだけでいろいろできるので、泥レースが予想されるときは掃除道具を用意していきましょう
現地で大きめの泥を落としておくだけでその次の工程(帰宅後)が楽になります

 

 【おまけ】

bikin!tvにダイジェスト動画がありました。当日の様子は分かっていただけるかと・・・

(私は映っていません・・・)